So-net無料ブログ作成
検索選択

ブリキの太鼓も考える [国際問題]

「ブリキの太鼓」の作者としてノーベル文学賞などを受賞してきたドイツの作家ギュンター・グラス氏が過去ナチス武装親衛隊(SS)に属していたことを告白し世界に衝撃が走っている。

地元ドイツや故国ポーランドなどでは各種の賞を返還せよとの声が高まっているのだそうだ。
果たして返還が必要なのだろうか。

受賞した「ブリキの太鼓」などを読んで(実際は映画でみたのだが)、戦争の無益さ国民の熱狂の中で歯止めが利かなくなっていく様を鬼気迫る迫力で伝えてくれた。
これは彼が本当に自らの行いを恥じ、それに苦しむ中で生み出されたものだと私は思う。

すでに戦後60年が経ち世界は様変わりしている。
もちろん、過去の過ちは忘れてはならないことだが、真摯に反省した者を糾弾することが果たして誰にできるのだろうか。

まして、当時生きていた人たちはどの国のどの民族の人でも多かれ少なかれその現実を作り上げた原因者である。
若い人たちにしても彼の功績を奪い去るほどの理由であるのか、を考えるべきだ。

もちろん、ナチスに直接関係した者は一生反省し続けるべきであることは言うまでもない。
しかし、一方だけの責任で判断するのはいささか非現代的ではないだろうか。

誰にだってその軽重は別にして言えない過去があるだろう。
それほど清廉潔白に生きている人間などどこにもいない。
過去を恥じ、誠心誠意反省をしているのであればそれは許されるべきである。

イスラエルのやっているパレスチナ人へのホロコーストは問題ではないということなのだろうか。


nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(1) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 4

あまちゃん

ドイツの戦後処理でいいところは、すべてをナチスとヒットラーに罪を押し付けられることです。
日本はそうはいかないのが、つらいところだと考えています。
「ブリキの太鼓」の作者とは知りませんでした。南雲しのぶさんのおかげで知ることができましたよ。
自分も映画は見ましたが、傑作でした。残念ながら、本は読んでいません。

元ナチス親衛隊の個人に賞は与えられたものではなく。本に与えたものと考えれば、返還要請しなくてもいいのではないでしょうか。
by あまちゃん (2006-08-30 20:47) 

近藤

自分は”Meine Sache” の8/21記事しか読んでないのですが
グラス氏がたたかれているのは 彼が元SS隊員だったからというよりは 自分が元SS隊員だったにもかかわらず 

元武装親衛隊隊員だった当時のキージンガー独首相に対し、グラス氏は「犯罪的体制の召使いが首相になれるなんて!」

と発言したり

レーガン米大統領の独兵士墓地墓参の折りには、武装SS隊員も埋葬されていることを根拠に、二人の首脳のモラルを激しく批判した

ことが原因だと思います。

民主党の菅直人氏が自分も年金未納したことがあるのに”未納三兄弟”などと自民党を叩いていたようなもんですね
by 近藤 (2006-08-30 22:38) 

南雲しのぶ

あまちゃん、コメントありがとう。
そうですね。ドイツの場合はなんだか簡単に敗戦処理が済んでしまったかのようなイメージはありますね。
それに最初、分断国家だったこともあり、試練を強いられていたために統合とともに全て赦免されてしまったという感じもしますし。
ただ、さすがに今回のレバノン駐留についてはイスラエルとの関係から躊躇しているみたいですね。
by 南雲しのぶ (2006-08-31 05:38) 

南雲しのぶ

近藤さん、コメントありがとう。
確かにそのようなこともあるかも知れませんね。
私は、彼は自らの保身のために他者を責めたのではなく、自らの存在をどう表現して良いのか分からず自己矛盾に陥ったのではないか、と考えています。
彼がSSに居たのは未成年のころ、それも戦争末期の混乱した時期だと言われています。
SSは志願と言われてはいますが、実際そのころには無理矢理という感じだったと聞きます。本人の意思というよりも時代や周囲の影響という面も捨て切れないのではないでしょうか。
特に彼のような芸術家としては、表現が突拍子も無いようなことになることもあり現在に至ったのかも知れないのではないでしょうか。
もちろん、真実は彼自身しか居ませんので憶測でしかありませんが。
反対に周囲も彼個人の経歴に対して評価するのではなくその作品に対して評価をしても良いではないかと言うのが今回の本旨です。
by 南雲しのぶ (2006-08-31 05:52) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この記事のトラックバックURL:
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
ブログを作る(無料) powered by So-netブログ